おはようございます!
秋の花粉症(イネ科花粉?)にやられている中桐です(泣)
さて、今日は先日行ってきたLLL(ロングライフ・ラボ)主催のシンポジウムについて書いておこうと思います。
場所は東京茅場町にある東京証券会館。
ここでは建築の学びとはまた少し違う視点で物事を見ることができます。
会場でお会いする方もいつもと違う業界の方もおられ、新たな出会いや気づきもあります。
毎年楽しみにしている年に一度のイベントです。

昨年はエコバウツアーで欧州にいたため参加できませんでしたが、一昨年の工藤勇一先生の講演に続き、今回が2度目の参加となりました。
LLLの理事の一人にPHJの森みわさんもいるので、PHJメンバーの参加者も多数おられました。

野口健さんの言葉から感じたこと
今回の基調講演は、アルピニストの野口健さん。
野口さんは、倉敷の隣にある総社市と教育に関するつながりがあり、直接の面識はないものの、なんとなく親近感を持っていました。
講演では、ネパールの土石流についてのお話もありましたが、こうした災害が起こりうることを、それこそ20年前から、度々訪れていたヒマラヤの変化を見て指摘されていたそうです。

※写真:ロングライフ・ラボ HP レポートより引用
ちなみにこの講演、パワーポイントによるスライド資料はほぼありませんでした。
久しぶりに思いのまま語られる、そんな講演を聞いたような気がします。
全く資料を見ないので、気持ちが伝わりやすく理解もしやすい。
生の声にはこの良さがあるなと改めて感じた半面、しっかり話しを組み立てておかないと伝わらない、その難しさも感じました。
あと話し方です。抑揚や間の取り方など、奥が深いですね。
もちろん、野口さんはしっかりと組立られており、話しはスっと入ってきました。
私も最近、スケールは違えど人前で話すことも増えているので「伝える力」という面でも勉強になりました。
登山家の方ですので、もちろんエベレスト登頂の話や冬の雪山の過酷さ、マイナス30℃の世界の話し、命のことも語られ、重くなりがちな話もありましたが、ご家族とのほっこりする話を挟み、ちょっとした笑いを交えながら話されていました。
フラットな感じといいますか、終始ニュートラルな印象を受けました。
そんな中でも、時折垣間見える真剣な言葉にまさしく修羅場をくぐってきた人の覚悟や決意が見られたのが印象的でした。
ご紹介したい話も盛りだくさんだったのですが、あまりに長くなるので、特に印象に残った言葉をいくつか。
「かつての異常気象」が「今では通常気象」
氷河で埋め尽くされていた地方に、数年後訪れると氷河が溶け出し無くなり、岩肌が露出してしまっているという衝撃。
他の場所も訪れる度に、表情が変わっていることから地球の変化に敏感になり、危険を感じていたそうです。
このことが今の温暖化に警鐘を鳴らす活動のキッカケにもなっていったとのことでした。
異常気象というものが、異常でなくなっている。人は慣れていく生き物で、それすらも日常になっていく、その慣れが怖い。
現場を知っている、体感しているからこその説得力でした。
「知るということは、背負うこと」
そして、その延長「知るということは、背負うこと」だということ。
知ったからには、自分にも何かできることがあるはず。
何もかもを背負うことはできなくても、それぞれが自分の立場で一つずつ背負っていくことはできる。
みんなが何か一つ背負えば、国は変わる。
そんなお話が、とても印象に残りました。
私も微力ながら、学びの場や本質的な家づくりを伝えていく中で、同じようなことを考え動いているため、心に響くものがありました。
野口さん、ありがとうございました!

※写真:ロングライフ・ラボ HP レポートより引用
気候変動に、それぞれの立場で向き合う
後半は、気候変動への「適応」と「緩和」をテーマにしたトークセッションや、さまざまな会社・団体による取り組みの発表がありました。
みなさんそれぞれの立場から、気候変動という大きな課題に向き合い、実際に行動されている。
その具体的な取り組みを聞くことができました。


※写真:ロングライフ・ラボ HP レポートより引用
私たちがつくる一棟で、その先に何を遺すのか
設計や施工の一つひとつの選択が、これから先の何十年にも影響していきます。
少ないエネルギーで快適に暮らせることは、住まう人の健康や暮らしの質を支えると同時に、環境負荷の低減にもつながります。
パッシブハウスも、その選択肢の一つだと思っています。
環境のために快適さを我慢するのではなく、快適に暮らすことが環境にもよい。
もちろん、建築だけで全てが解決するわけではありません。
それでも、私たちが今日つくる一棟は、何十年もその場所に遺り、そこで暮らす人の生活を支え続ける。
だからこそ、目先のことだけではなく、その先に何を遺すのかを考えなければならない。
野口さんの言葉にあった【背負う】とは、そういうことでもあると思っています。
改めて、自分たちの仕事の責任と可能性を考える、貴重な時間となりました。
また来年も楽しみにしています!
LLLの皆さま、登壇者の皆さま、会場でお会いした皆さま、ありがとうございました!

※写真:ロングライフ・ラボ HP レポートより引用
岡山に、いい家を一棟でも多く遺すために
そして、会場でお会いしたと言えば、同じ岡山で高性能住宅を手掛けられている株式会社SANKO 副社長の丹生さんに、初めてお会いしました。
ただ、気がついたのが本当に最後の方で、当日私は日帰りで時間がなく、残念ながらあまり深くお話しできませんでした。
日本ではまだまだ少ない等級7やG3レベルの家を標準的に設計・施工している同郷のビルダー同士、出来る限り情報共有してこの輪を広げていくべきだと個人的には強く思っています。
競争ではなく共創です。
何を青臭いことを、と思う方もいらっしゃるかもしれませんが、情報過多で確かな物を見失いがちな今の時代、むしろこの考えの方が理に適っていると私は思っています。
例えば、断熱や気密、耐震、空調にしても、一社で経験できる現場には限りがあります。
でも、工務店同士で現場を見せ合って「ここ、どう納めたんですか?」とか「実際にやってみて、どうでした?」と聞けると、自分達だけでは気づけなかったこともきっと見えてきます。
特にありがたいのは「次にやるなら、ここはこうする」という話。
こういう話こそ、次の一棟に生きると思います。
もちろん、同じ地域で仕事をしていれば、お客様から比較されることもあるでしょう。
でも、納まりを一つ教えた、若しくは教わったからといって、同じ家ができるわけでもありません。
目の前のお客様の話をどう聞いて、その土地でどんな暮らしを提案するか。
そこには、それぞれの工務店らしさが必ず出ます。
それなら、私たちが現場で得た確かなものも持ち寄って、一緒に腕を上げた方がいい。
仲間から教わったことは、私たちのお客様に還せますし、その逆もあります。
そして、どこの工務店が建てた家も、この地域に何十年と遺っていく。
そう考えると、地域によりよい家を一棟でも多く遺すために、共に学ぶのは、ごく自然なことだと私は思っています。
ですので、丹生さんとはまた一度どこかでゆっくりお話したいなと、勝手に考えています(笑)

ロングライフ・ラボの理事で医師の石原新菜先生(中)とSANKO 丹生さん(右)
ということで、今回も良い出会いと情報交換の場となりました。
今日長いですね…でも、最後にもう一つだけ。
話は変わりますが、弊社井上の昨日のブログになんだか喜ばしいことが書いてありましたね。
11月1日が結婚記念日だったそうで。おめでとうございます!末永くお幸せに。
そして、こちらこそいつもサポートありがとう。
直接言えって話ですね(笑)今後ともよろしくお願いします。
それでは、素敵な祝日を。