スタッフブログ

2025.12.30

宮崎へ行ってきました!

おはようございます!

先日、地元の昔からの友人達だけで忘年会を開催した中桐です。久しぶりに建築の話しはほぼ無しで、皆でバカ話ばかりしていましたが、たまにはいいですね(笑)

 

さて、少し前ですが121516日の2日間、宮崎県へ視察に行ってきました。

今年は1月に鹿児島、そして年の締めくくりが宮崎ということで、結果的に、始まりと終わりを九州で過ごす一年になりました。

今回の宮崎視察は、国内で一番PH(パッシブハウス)を手がけているタナカホームさんづくしの非常に濃い2日間。

まず最初にお伝えしておくと、今回の視察は【価格を学びに行った】というより、【なぜそこに辿り着いたのか】を学びに行った、という感覚の方が近いかもしれません。

スケジュールはこんな感じでした↓

1日目】

・企画型パッシブハウスの視察

・AitohusさんとのコラボPHモデル

・田中社長の講義

2日目】

・工事中のPHレベルの現場視察

・新社屋「ameterrace」の視察

2日間とも、田中さんご本人が最初から最後まで同行してくださいました。

質問が途切れることはなく、そのすべてに真正面から答えてくださったこと、本当に感謝しかありません。


「なぜ、それが実現できているのか」

最初に見学したのは、企画型のパッシブハウスモデルハウス。

ここで大切なのは「安い・高い」という話ではなく、

【どういう考え方と積み重ねの先に、この形があるのか】という点です。

建物のサイズ、形状、断熱構成、そして工事の進め方。

一つひとつが「コストを下げるため」だけではなく、【合理性と再現性を突き詰めた結果】として成立していました。

田中さんが自ら考案された工法(MeTAS)や仕組みも、決して魔法のようなものではなく、試行錯誤を繰り返し、現場で検証し続けた結果。

「これなら誰でも簡単にできる」そんな話では決してありません。

むしろ、【ここまでやり切って、初めて見えてくる世界】そんな印象を強く受けました。

個人的には、建築そのもの以上に【経営者として、どう意思決定してきたのか】その部分を深く学ばせてもらった時間でもありました。


「頑張らない」という言葉の裏側

田中さんは何度も「頑張らない」と口にされていました。

でもそれは、一般的にイメージする「楽をする」という意味ではなく、【無理を続けないために、仕組みを作り切る】という意味だと、私は受け取りました。

行動量、決断の速さ、検証の数。どれを取っても、簡単に真似できるものではありません。

同世代として刺激を受けると同時に、自分自身も、まだまだやれることがあると強く感じました。


「できない理由」をなくすための建築

建築家とのコラボによるパッシブハウスでは、準防火地域・狭小地・2階建てという、難易度の高い条件の中でPH認定を取得されています。

「ここでできているなら、できないとは言えない」

この言葉には、言い訳を排除し、可能性を現実に変えていく強さがありました。

美しい意匠と性能を両立させる。その姿勢から学ぶことは本当に多かったです。


経営の話と、これからの建築

1日目の最後は座学。

田中社長から経営の話、数字の話、そしてこれからの業界の話。

決して上から目線ではなく、同じ立場の経営者として語られる言葉は、とても胸に響くものがありました。

特に印象的だったのは、AIが当たり前になるこれからの時代に、【建築の仕事そのものが大きく変わっていく】という話。

おそらく今の工務店のような形態も無くなっていくだろうと私も思います。

だからこそ、「最後に遺る会社でありたい」そう本気で語られていた姿が、強く心に残っています。

AIは当たり前にあるものとして柔軟に動きたいですね。


パッシブハウスは「特別」から「基準」へ

2日目の現場視察では、「これなら自分にもできるかもしれない、やらなければ」そう感じた参加者が多かったと思います。

それはレベル感の問題ではなく、【正しい考え方と順序で取り組めば、決して夢物語ではない】ということが、リアルに伝わったからだと思います。

私自身、認定を取るかどうかに関わらず、この温熱レベルの住まいは、日本でも必ずスタンダードになっていくと確信しています。


PH(パッシブハウス)のその先へ

最後は、タナカホームさんのPH新社屋「ameterrace」の視察。

建築、造園、空気感。どれを取っても「工務店の社屋」という枠を超えた場所でした。

人が自然と集まり、そこから暮らしや家づくりへとつながっていく仕組み。

建物単体ではなく、【場としてどう機能させるか】

その視点に、強さを感じました。


今回、スケジュールの都合で参加できるかギリギリでしたが、本当に参加してよかったと心から思っています。

学びの多い2日間でした。

田中さん、スタッフのみなさん、そしてご一緒したみなさん、ありがとうございました。

この学びを、ここ倉敷で、自分たちなりの形に落とし込んでいきたいと思います。

 

ということで今日は宮崎視察の話しでした!

さて明日は大晦日です。

何を書くか決めていませんが、建築の話というよりは1年の振り返りとして肩の力を抜いて書きたいと思います。

それでは、素敵な1日を!