スタッフブログ
2026.04.15
中東情勢の影響について
おはようございます。中桐です。
ここ最近のニュースでも取り上げられている通り、中東情勢の悪化により、住宅業界にもじわじわと影響が出始めています。
今、家づくり真っ最中の方、これから家づくりを考えている方、不安に思われている方も多いのではないかと思います。
実際、弊社のお客様からもそのようなお声を頂いております。
今日は少し真面目な話ですが、ここで一度できるだけ分かりやすく整理し、お伝えしておこうと思います。
まず【何が起きているのか?】
結論から言うと、
背景には、エネルギー供給を取り巻く国際情勢の変化がありますが、家づくりにおいて重要なのは、その結果として「何が起きているか」です。
日本はエネルギーの多くを中東に依存しているため、今回のような情勢変化が起きると、原油価格の上昇や供給不安がそのまま建材に影響します。
・断熱材(ボード系)
・防水材(ルーフィング・ウレタン防水など)
・接着剤、シーリング材
・透湿防水シート
・樹脂系の住宅設備やサッシ
といった、いわゆる【石油化学製品】です。
すでに一部メーカーでは「受注停止」「受注制限」も出ており、価格の問題だけでなく、「そもそも手に入らない」というフェーズに入りつつあります。
【なぜ怖いのか?】
「材料が高くなるだけでしょ?」と思われがちですが、実際の現場はそんなに単純ではありません。
家づくりは、
・断熱材がないと壁・床・天井を塞げない
・サッシや透湿防水シートがなければ外装も仕上げられない
・お風呂やトイレや給湯器がなければそもそも住めない=引き渡せない
つまり、ひとつの材料の遅れが、工程全体の中断に直結します。
建てたくても建てられない。建てられても住めない。
これが長引けば、企業は現場が止まり、その影響は資金繰りにも及びます。
個人にとっても、住宅ローンや補助金のタイミングが読みにくくなり、ライフプラン自体が不安定になる可能性があります。
そして結果的に、建築業界に限らず社会全体に影響が広がっていきます。
つまりこれは、単なる建材の問題ではなく「暮らし」そのものに関わる話であり、今回の問題の本質だと考えています。
【これから起きること】
現時点で予測できるのは、大きく3つです。
① 価格の上昇
② 納期の遅延
③ 突発的な供給停止
特に③は読めません。現に今週に入り急に供給できないという通達がきました。
一社が動き出すと、不安が連鎖し、結果的に同じ方向に流れていく傾向もあります。
それが世の常でもあり、ある意味日本らしさでもあります。
今までは「発注すれば入る」が当たり前でしたが、これからはそうではなくなるということです。
【では、どうすればいいのか?】
ここからが大事な話です。
全てを悲観的に捉えても仕方がないので、今回の状況からまずは【家づくりの前提を見直すタイミング】
■ポイント①:優先順位を決める
・建築時期
・大きさ
・性能、デザイン
・ビルダー選び
全部を曖昧に考えているほど、リスクは上がります。
逆に言えば、「何を優先するか」がはっきりしていれば、ブレずに判断できリスクは分散できます。
例えば、性能は後回しにするところでないので最優先として、家の大きさは本当に必要な大きさを考える。
また、建築時期を見極める(※いつでも建てられるように準備は進めておき、ここぞという時にすぐ動く)など、冷静に選択していくことだと思います。
そして、そもそもこういったことを、一緒になって考え進めていける信頼できるビルダー選びをすることです。
■ポイント②:仕様をシンプルにする
特注品や納期が不安定なものは、どうしてもリスクが高くなります。
いつもその会社さんが使用している標準仕様をベースに考えることは、コストだけでなく「安定性」という意味でも重要だと思います。
よって、その会社の標準というのを確認する必要があります。納得がいくベースなのかの確認です。
その会社の世界観(考えていること)、性能(断熱・気密だけではなく耐震性や耐久性も含めたトータルな性能)、コスト(イニシャルとランニング)等々、多角的に見られた方が良いと思います。
「この材料じゃないとダメ」ではなく、同等性能であれば柔軟に選択できるかどうか。
多くの建材は、メーカーが違うだけで性能は似通っていることが多々あります。
その材料の変更や、仕様の変更を受け入れる前提で家づくりを進める。
ここが、家づくりの進みやすさを左右します。
肌感では現時点で、着工しているお家に関してはなんとかなると感じています。
上記のことは、これから家づくりを始められる方に特に該当するかと思います。
【GREEN MODERN的に考えると】
ここから少しだけ、私たちの考え方の話です。
今回のような状況を見ると、
普段は意識しませんが、私たちが当たり前に使っている多くの建材は、遠く離れた場所の資源と物流に支えられています。
それがひとたび崩れると、家づくりそのものが不安定になる。
これは、単なる価格の問題ではなく、「暮らしの土台の話」だと感じています。
・できるだけ長く使える素材
・地域に根ざした選択
・時間とともに価値が増す設計
・循環、再利用ができる素材
こういった視点を大切にしています。
これは見た目や雰囲気の話だけではなく、
自然素材には確かな魅力があります。ただ私たちのスタンスとしては何が何でも自然素材でとは思っておりません。
なぜなら、科学や技術の進化もまた、人の暮らしを支えてきた大切な積み重ねです。
どちらかを否定するのではなく、その背景や根拠を見極めながら、適切に選び取っていくこと。
それが、これからの家づくりに必要な姿勢だと思っています。
・何に依存しているのか
・それは長期的に持続可能なのか、循環可能なのか
こういった視点は、これからの家づくりには確実に必要になってくると思います。
【最後に】
正直に言うと、しばらくは不透明な状況が続くと思います。
ただ、こういう時こそ大事なのは、
「ナフサショック」とでもいいましょうか、今回の未曾有の出来事により建築業界は世間で思われているより、かなり厳しい状況に置かれていると思います。
ウッドショックやコロナの時よりも正直深刻だと感じています。
【何を選択し、何を遺すか】その判断が、これからの家づくりの質を大きく左右すると思っています。
私たちとしては、
・性能は落とさない
・現場は止めない
・できないことは曖昧にしない
・情報は包み隠さず共有する
これらを大事にしながら、一棟一棟、現実的な最適解を積み重ねていきます。
また状況が変われば、随時情報は発信していきます。
激動の時代です。一緒に前を向いて進んでいきましょう。